建てられてから30年ほどになる家は、至る所に修理を必要としている。雨樋もその一つだ。雨樋を支える金具が緩くなり、雨樋が変形してしまっていた。そのため、雨が降ると滝のようにこぼれ落ちてしまっていた。その滝は相当なもので、勝手口をびしょびしょに濡らしたり、雨が大嫌いなリックが怯えて、自由に軒下を歩けなかったりと、不具合だらけだった。
一年間空き家になっていたために、落ち葉や土がこんもりたまって、雨樋を壊すことに拍車をかけていたのだろう。それから雨樋というものはだいたい1メートルにつき、1センチの傾斜をつけなければ、うまく流れていかない。この家の雨樋はその傾斜が不十分だったために、流れにくかったようだ。だから僕は雨樋を取り替えるだけでなく、固定する金具もすべてはずして、傾斜を作り直した。おかげで雨降りの日が、前よりも一段と待ち遠しくなっている。