秋分、そして寒露が過ぎてから、秋は深まり、日に日に冬に近づいていく気配が山全体から感じられる。山を下りて働き始めてから、初めての二連休。気持ちいい秋晴れの下、僕は大工仕事、真理子は野良仕事。
猪とゲリラ豪雨に倒された蕎麦は、倒されながらも実は黒ずんでいる。
朝夕は肌寒さを感じるが、秋晴れはまだぽかぽか暖かく、作業を助けてくれる。うちの柿も実をつけてくれた。
冬野菜の準備が遅れたら、うまく大きくなっていかないだろう。慌てて種を植えたり、苗を植えたり。

腐った土台を取り替えてから、少しずつトタンを貼り替えてゆく。トタンを外すことも、新しいトタンをサイズ通りに切ることも、大変だが、一番難しいのは、新しいトタンを水平に貼るということ。しかしまずは、柱を加えなくてはならない。というのは、今まで付いていた窓を外し、ドアに替えるためだ。しかも二ヶ所!!
そして新しいトタンを貼るためには、それを貼る部分を木材で設けなくてはならないのだが、土台を替えたことによって、そしてドア部分を新しく作ったことで、新しく作らなくてはならない。
釘を打つ音が青い空に吸い込まれてゆく。
