今宵はご近所を呼んでの、ちょっとした宴。日頃お世話になっている方々にご馳走したくて、集まって頂いた。それは僕の両親の気持ちでもあり、スポンサーになってくれた。ありがとう、父さん、母さん。そして集まってくださったご近所のみなさん、ありがとう。残念ながら、声をかけてた男の衆は用事で不参加だったが、可愛い女の子たちの声が飛び交う楽しい宴となった。
料理は何を振る舞っていいのかいろいろ思案した結果、前日に両親と祖谷で食べた「でこまわし」と魚の串焼きに決定。それから親父のお得意の父汁(筑前煮)、真理子のお得意の豆サラダ、をそれぞれ作ってくれた。他にも四人で鰹のタタキや梅ゼリーや抹茶プリンや鶏鍋などや蕎麦米雑炊を用意した。
祖谷でいただいた、「でこまわし」とは、田舎こんにゃくと田舎豆腐と蕎麦団子の刺さっている串焼きのこと。柚子味噌をつけた田楽のようなものだ。祖谷の至る所で、芳しい香りが囲炉裏から流れ出していた。僕は一目惚れ。「よし、これを作ろう」ということになった。
いろり端で回しながら焼く様が「でこ=人形」に似ていることから名前がついたらしい。一番上の蕎麦団子の部分が人形の頭(でこ)。
そして徳島来て始めてのライヴ!!おじいちゃんやおばあちゃんやその日集まってくださる人達へ、唄を聴いてもらった。おじいちゃんとおばあちゃんの曲はギターとジャンベ。集落の若い衆のみなさんへの曲は三線とタンバリンで演奏した。つたない演奏ではあったが、気持ちを唄にのせてプレゼントできるのはこの上なく嬉しい。いずれも「ありがとう」の唄でした。
聴いてくれて本当にありがとうございます。けれど何よりも集落の方々が僕らのうちに集まってくれて、たくさん話したり、笑ったりしてくれてたのが嬉しかった日でした。美郷大野の女の子たちは本当に可愛いです。
僕も真理子も本当に「ありがとう」の唄が歌いたいのは、両親(両家の)であると思う。けれど照れくさくて、なかなか実現しない。とにかく今回も僕の両親は何から何まで手伝ってくれた。手伝ってくれたというよりは、僕らがしなくてはならない日々たまっている野良仕事や家の整理や修理の仕事を次々に勝手にやってくれた。本当に助かるなぁと呟く僕は本当にいつまでも甘えさせてもらっている。
疲れの残る身体で朝遅く起きると、いつものように決まって父親は外で働いている。彼は遊びに泊まりに来ているのに、必ず5時に起床し、野良仕事をする。草抜き、石拾い、石垣並べ、草刈り、物置の整理・・・気づいた所から片っ端からしてくれる。母親も花壇やプランターや畑の草を地道に抜いてくれるし、毎回家の中をていねいに綺麗に掃除してくれる。普段畑仕事に追われて、部屋の掃除を疎かにしている僕らにとっては本当に助かることだ。
本当はもっとのんびりさせてあげたいのだが、ついつい甘えてしまう。ごめんよ、そしてありがとう。本当は涙が出るほどなのに、それをなかなか表現できないばかりか、さらっとした態度を取ってしまったり、心ない言葉が出てしまうこともある。
でもとにかく僕の父母は本当に素晴らしいです。働き者で優しくて、自由で、そして楽しく生きています。そういう親の素晴らしい部分を見習って、日々精進を続けます。
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