日に日に葉っぱの緑が濃くなってきている今日この頃。
うらうら陽気に追い立てられるようにして、植物たちが次々に、その柔らかくみずみずしい芽をのばしている。我が家の周りでも、山菜たちが伸び盛りで、台所は大忙しだ。
こないだまで、毎日のように食卓に上っていたタラの芽は、すっかり育って、もう食べられなくなった。
今食べ頃なのは、蕗と、たけのこ。今日も、じいちゃんと一緒に、おっきな筍をゴロゴロ、そして、しゃんと伸びて、いい香りの蕗をたくさん採ってきた。こんなにどっさり!嬉しいなあ。
蕗は、さっとゆがいてから水に放して、皮をむく。
たけのこは糠と一緒にゆがいてアクを取る。茹でてもすぐに湯切りせずに、煮汁がすっかり冷めるまで、そのままおいておくのが大事なんだそうだ。
どちらも、何度も水を換えて、よくアクを抜いて。…ばあちゃんが教えてくれたとおりに下ごしらえする。ふつうの野菜と違って、まずはアクを抜かなきゃいけないから、すぐには食べられないんだなあ。今日採ったら、一晩さらして、それから煮物にする、というように。
そんなふうに、蕗もたけのこも口に入るまでに時間がかかるけど、その間、みずみずしい色と香りをたっぷり味わえるのが嬉しい。蕗は、切ったときからふわっといい香りをまとっていて、山の空気を家まで持って帰ってくれるのだが、湯に放すと、いっそう強く香る。まるでアロマを焚いてるみたいに、部屋中が蕗の香りになる。湯通しすると、香りだけじゃなく、色も鮮やかに変わる。灰がかった淡い緑から、鮮やかな黄緑色へ。…そして、次の鍋からは、糠とたけのこの穏やかな香り。夕食後のキッチンに、春の野原の香りが立ち上って、それはそれは幸せな時間に。。
今夜の食卓には、新顔の山菜も登場。畑の畦に、なんと、ウドが!どうやら、じいちゃんが植えていてくれたみたいだ。
根本の太くて白いところは、薄切りにして、、水にさらして、酢味噌をつけて。
茎の少し育った部分は、皮を剥いて、さっと茹でて、酢味噌和えに。
剥いた皮は、ごま油とごまをきかせたきんぴらに。(これが一番好評だった)
柔らかい葉っぱは、刻んでお味噌汁の具に。
なんと、4品もできてしまいました!!写真は、お刺身のもの。残りは、全部胃袋に…。
今夜もすごいご馳走、美味しかったなあ…。山の神様、じいちゃん、ありがとう。
あしたは伽羅蕗を炊こうかなあ。
(byまりこ)