地道な作務。地味な作業がここ数日続く。我が家な畑は石だらけで、そして粘土質で硬い。だから日もすがら、畑に座り込んで、石を拾う。そして、畑の土を柔らかくするためにも、落ち葉やその腐葉土を入れたいために、道路の脇の落ち葉を拾う。石掘り石拾いに関しては、終わりが見えそうにない。カミュウの「シーシュポスの神話」の終わりのない罰が頭をよぎる。しかし畑をよくしていくのは簡単にできるものでもない。毎年毎シーズン、耕しては出てきた石を拾い、少しづつ落ち葉や腐葉土を入れて、柔らかくしていくしかないのだ。
けして嫌なことではないのだが、他にも華やかでうきうきする仕事はたくさんある。美しい花を植えて花壇を構えるとか、石窯やログハウスをつくるとか。
でも大切な畑だ。僕らは美しい麦畑や蕎麦畑をつくりたいし、美味しい大豆をつくって、いろんな加工品で日々の生活を豊かにしたい。だから、ぼつぼつ(ぼちぼち)地味な地道なところも、楽しんで歩んでいくよ。
拾いあげた石や硬く固まった土を見ていると、地質学や鉱物に関心を持っていた宮沢賢治のチェロが聞こえてきそうな気がする。