どうしても伝えたい祈りがある。どうしても形にしたい詩がある。少しでも多くの人に伝えたい祈りがある。しかしひとつの本を製本出版するのには、莫大な費用がかかるので、強い想いを持っていても、製本出版を諦めてしまう人が少なくありません。いくら素晴らしい文学を紡げる人でも、経済的な理由で、作品がこの世に生まれることなく過ぎ去ってしまうのが、今の現代社会の利潤至上主義のひとつの特徴です。
私はひらめいたのです。製本出版するのに、百数万あるいは数百万かかるのだったら、自分で印刷して、自分で製本して、自分で営業すればいいじゃないか、と。金はないが、時間はある。金はないが、気持ちはある。
馬鹿鬼のように、印刷製本出版をすべて手作業すべて自分の力でやるというような大挑戦を、失敗や損害のリスクを恐れずに、思い立ったらやってしまう人は、そんなに多くはないと思います。もし私の挑戦がうまくいったら、つまり高い費用を要求する企業に頼らずとも、経費を削減しながら自分の手で製本できると証明できれば、高額な費用を理由に出版を諦めていた人達の素晴らしい作品が、形になり、世に羽ばたいていけるようになるのです。
現段階では、自分の作品をやりくりするだけでも、手一杯なので、他の作家の作品を受け持つ事はしません。しかし、いずれは、材料費だけ負担してもらうという条件で製本をサポートできるようにと考えています。破格な費用で、製本出版ができる会社にしていきたいというのが、鬼の夢です。「有名になりたい」とか「稼ぎたい」という気持ちよりも、「自分の祈りを伝えたい。それができるなら、儲けはどうでもいい。けど莫大な費用は払えない」という人の受け皿になってゆきたいのです。ゆとり(時間)といのり(情熱)がある人のための『たおうたお会』を目指しているのです。
参考までに、出版の費用についてお話します。出版には主に三種類の方法があります。企画出版、共同出版、自費出版です。『企画出版』とは出版社が全額負担してくれるものです。『共同出版』は、利潤の見込みを考慮にいれて、出版社と著者が費用を共同に負担する方法です。費用の方は、流通費用や広告費用、登録費用、紙の質、カラーの種類数、本のサイズ、ページ数などの条件次第でまちまちですが、だいたい、500部の出版で100万円前後の費用を自己負担しなければなりません。『自費出版』とは著者が全額負担する形式です。この場合の費用も上記の条件次第でぴんきりです。同じ条件であるなら、おおよそ『共同出版』の倍はかかると考えて良いでしょう。そしてどの場合も印税は10%あれば、いい方だと思います。
以上の事をふまえて、一冊1500円の小説500部を100万負担する『共同出版』で出版したとします。そして500部売れたとします(そんな事はまず有り得ず、3割売れたら成功というのが妥当な相場ですが)。500部の印税は10%だとします。その場合、1500円×0.1×500部=75,000円
自己負担金額100万-75,000円=925,000円の赤字です。500部売れたとしてもこの赤字。これが安いか高いかは個人の価値観や経済力次第ですが、私にしてみたら、高い!または、流通や広告を考慮にいれる「出版」ではなしに、個人契約でただ作品を「製本」することという案があります。その場合、部数に値段は左右されますが、500部製本(ハードカバーと帯は含まない)するの場合、1部2000円ほどが相場です。
次に私の『たおうたお会』で製本した場合です。費用は、印刷のインク代、製本の製紙代、接着剤代のみです。例えば私の『いのちへいのり』を500部作るためには、250,000円です。販売方法も自分でしなくてはいけませんが、広告費、流通費などのマージンは0円ですので、1部2000円を500部売る事ができたなら、印税は100%なので、 2000円×500部=100万です。100万-25万=75万の黒字です。
もし自宅で自分の手で作るとなるなら、製本の道具と印刷するパソコンとプリンターの準備で、総額約25万です。『たおうたお会』を通さずに、自宅で製本に挑戦するという熱意ある方には、喜んで技術をお教えいたします。ただし自己製本には、熱意と時間が必要です。大変地味な作業で、大変集中力のいる作業です。また本一冊を製本完成させるのに、一時間から二時間は必要です。それに加えて、印刷に至るまでのデータ作り、デザイン構想、紙選びなど、も大変な作業です。だから私は言うのです。"金はないが、時間はある。金はないが、気持ちはある。"と。
『たおうたお会』が私よしのしゅう以外の作品を出版する夢はまだまだ先の事で、なんとも言えません。どのくらいの費用を負担してもらうか、どのくらいの労働を負担してもらうか、どのくらいの印税にするか、まだたおうたお会が歩み始めたばかりなので、見積もる事ができません。ただし、基本的に、「他の大手の出版社のようには、赤字にはさせない」というのが私の思いです。製本一冊につき一時間から二時間かかる作業なので、時給650円だとしても、二時間で1300円。それに加えて材料費一冊500円。計1800円。この現状を考えると、黒字にもならないので、報酬も0円、つまり赤字も黒字もないという条件になるというのが、大方の予想です。それでも赤字なしで自分の作品をつくりたいという人には、おいしい話だと思います。
しかしくれぐれも誤解してほしくないこととして、販売や宣伝に関しては、力を貸すことに制限が出てきます。
とにかく毎日たおうたお会、精進していきます。私は絵本や小説にもいつか挑戦したい気持ちです。
前述したように、私のように全部自分でやってみたいという方には喜んで、技術をお教えいたします。ただし、『たおうたお会』より出版したい場合は、厳しく判断いたします。私の『たおうたお会』の理念に相応しない限りは『たおうたお会』からは出版できません。まぁ、まだまだ先の話ですが、以上が私の構想です。『たおうたお会』が落ち着いてきて、見通しができる状態になった時、作品の募集を始めたいと思います。興味がある方は、気軽にご連絡ください。